吊足場 ― 夜を渡る構造
鉄道工事の短い夜を前へ進めるために、この吊足場は生まれた。
レールを宙に渡し、ステージから吊足場を滑車に預けて押し出す。 一晩で四スパン進む、静かな工夫の結晶だ。
模型づくりもまた、構造の核心だけを拾い上げた。 真鍮の支柱、四スパン梁枠、治具にはめた布材。 ステンレスのレールと小さな滑車が、縮尺の中で本物の動きを宿す。
ジオラマではない。
足場そのものが主役だ。
荏油を染み込ませた台座は、そのための余白。
見学者が驚く姿を思い描きながら組み上げた。 その反応は、今も期待どおりに返ってくる。


















