完成した建物を見上げても、その下で荷重を受け止めていた支保工の姿を見ることはない。
工事が終われば解体され、記録の中にだけ残る構造。
だが、その一本一本の部材が、上から伝わる力を受け、地面へと流し、建設を成立させている。
この模型は、アサヒ産業株式会社が開発した「次世代足場ミレニューム」の型枠支保工システムを、1/10スケールで再構成したもの。
実際の32kN仕様、26kN仕様をもとに、荷重を支えるための論理と形を、目で追える大きさへと置き換えた。
図面の中では理解しづらい力の流れも、模型になると不思議なほど素直に見えてくる。
構造とは、
部材の集合ではない。
力の流れを設計し、
安全を積み重ねるための思想である。
この模型は、完成後には見えなくなる技術に、もう一度光を当てるために製作した。













